BLUE DIARY

役者・モデル川口凛の奮闘記

高瀬久男さん、の巻


文学座の研究生時代にお世話になった高瀬久男さんが57歳でお亡くなりになりました。


早すぎる。
まだ亡くなるようなお歳ではないけれど、
6年前から闘病なさっていたそうです。


眼光鋭く稽古場で演出をしていらしたお元気なお姿を今でも鮮やかに思い出せます。
自分自身に壁を作ったカッコつけの役者が嫌いで、
時にはトコトンまで追い込むようなことも。
私は在学中、追い込まれるのがイヤでどちらかというと高瀬さんを避けていた。
でもある打ち上げの日、大人数でごった返す居酒屋で遠くに座っていた高瀬さんがふいに私の隣にわざわざいらして、
「君は僕のこと嫌いでしょ」と、突然口にされた。
沢山いる役者の中でまさか私のことなどあまり見ていないだろうと思い込んでいたので正直ビックリした。
その時に何と答えたのかは憶えてないけど、
嫌いではなく、怖かっただけ。
今思えば、怖がらずに正面から教えを乞うべきでした。
ダメな奴でした。


天国で、「あの時のアイツ、今はまあまあ頑張ってるじゃないか」と思っていただけるよう精進します。


御冥福をお祈りいたします。