BLUE DIARY

役者・モデル川口凛の奮闘記

10年が経ちました、の巻

全東京写真連盟の新人モデル選抜撮影会で
初めてカメラの前に経ったのが2003年の2月。

読売新聞の広告にモデル募集の記事が載っていて、
ひょっとしてグランプリを取ったら賞金がもらえるのかしらん?
なんていうヨコシマな気持ちで応募したのがキッカケでした。
もともとチャレンジ精神も好奇心も旺盛だったし、
役者としての勉強のひとつにもなるかな、と応募書類を送ってみた。
グランプリは逃したものの、撮影モデルとして登録させていただくことに。

さて、いざモデルとして撮影会に出ることになったのはいいものの、
ハタと気付いてしまったのです。 そういえば私…
役者として舞台に立ってはいたけれど、モデルとしては初心者もいいところ。
ポージングもわからないし、表情も作れない。
自分に似合う服もわからない。
初期の衣装は今見返すとホントに恥ずかしい。

とりあえず、100人近くのカメラマンさんを前に必死。笑顔がひきつってる


でも回を重ねるごとに、
だんだんと大人数のカメラマンさんに囲まれることにも慣れてきて、
いやむしろ気持ちが良くなってきて、
カメラの前で少しずつ「自分らしさ」を出せるようになってきた。
撮影会のたびに写真をプレゼントしていただいたので、
それを見て自分のポージングの反省をしたり、メイクの研究をしたりもした。
ひとりのカメラマンさんから20枚いただいても、10名で200枚になる。
CDRに焼いてくださる方も多くいらしたので、
撮影会のたびに1000枚以上の自分が写った写真を見ていたことになる。


1年契約の全東京を卒業後は少人数撮影会のモデルとして登録をして、
さらにステップアップを図ることにしました。
役者としての勉強で始めたはずが、
いつしか写真に撮られることが好きになっていたので、
ここで辞めたくはなかったから。

少人数制に移行してからは、カメラマンさんとの距離が縮まり
より写真に対する愛情も湧いてきた。
メイクもうまくなってきた。


自ら撮影地をリクエストして、持ち込み企画をしたり。
終了後の打ち上げが楽しみだったり。

そうそう、撮影場所に合わせた衣装選びも出来るようになってきた。



自らロケハンをして、一泊撮影会も企画した。
湖に入ったり、ローカル線をたどったり、
民宿の室内で行燈を使って一対一の個人撮影もした。
カメラマンさんに喜んでもらえるのが嬉しかったし、
他のモデルがやらないことにチャレンジするのが楽しかった。



オトコマエだと言われたり、
可愛いと言われたり、
酒豪と言われたり。

「撮らされる」と言われたり、
「ずっと撮りたかったんです」なんて有難いことを言ってくださったり。

北は北海道から南は福岡県まで、
遠いところから足を運んでくださるカメラマンさんもいらっしゃいました。


飽きられないように、企画力も身に付けた。

また撮りたいと思っていただけるよう、
カメラマンさんのニーズに応えたかったし、
ニーズを裏切ることもしたかった。



面白い企画に乗っかることもあった。
ライティングセミナーやコスプレ撮影会にも積極的に出演した。
裁縫はあまり得意ではないけれど、衣装を自分で作ったり。

「自分には出来ない」と間口を閉ざさず、
とりあえず首を突っ込んでみた。
そうしたら、新しい扉が開いたりして、
自分の知らない自分に出会えたり。

このチャレンジ精神は、ずっと忘れずにいたいな。


愛情をもってアドバイスをくださる、いいカメラマンさんに恵まれたのも有難かった。
私は本当に、カメラマンさんに育てていただいたモデルです。
いいカメラマンさんに出会わなかったら、
全東京の1年でモデルを辞めていたかもしれない。
撮りっぱなしではなく、
忙しい中で時間を作ってwebにアップしていただいてコメントを寄せてくださったり、
美しく製本された写真集を作ってくださったりして、すごく励みになりました。

撮影会の主催者さまとは、こちらが情熱を持って臨みすぎて時に意見が合わず
事実上喧嘩別れしてしまった方もいらっしゃれば、
今でも可愛がってくださっている有難い方もあり。


始めた当初はガチガチだった身体も、
カメラの前で自由に動くようになった。
飛んだり跳ねたり、回転したり。
笑顔も、作り笑いではない自然な笑顔に。

思いのままに身体を解放できるようになったことが、
役者としてもすごく役立った。


そして、2009年の12月に撮影会モデルを引退。
(年に1回ほどぷりずむさんにはモデル出演していますが、
それはあくまでもイレギュラーなので…

2003年から6年半、長いようであっという間だった。
それだけ充実してたってことでしょうか。
とても幸せな、贅沢な時間でした。

幸い夫は撮影会にも来てくれていたカメラマンさんのひとりなので
(といっても撮影回数は極端に少ないほうですが・笑)、
「もうどうしてもお前を撮る気になれない」と言われるまで
いつまでも撮ってもらおうと思っています。

2003年から今年でちょうど10年。
今でもカメラの前に立つのが好きな私です。

あなたは、最近写真を撮っていますか?