BLUE DIARY

役者・モデル川口凛の奮闘記

ハロウィンの巻

この時期になると数年前のある事件を思い出す。
アメリカで日本人留学生が家の玄関で射殺されたあの事件だ。

Trick or Treat!』(ご馳走くれなきゃイタズラするぞ)と玄関先で言うと、
『Happy Halloween!』という言葉とともにお菓子を差し出される。
もともとは秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う行事が日本ですっかり馴染みとなり、
お祭りのようになってしまっている。

ハロウィンパーティーで憧れを持った土地で心踊らせて仮装し、
見知らぬ家の玄関先に立った日本人留学生。
Trick or Treat』の言葉のお返しはお菓子ではなく冷たい弾丸だった。

仮装した留学生に驚いて銃を構えた家の中の住人が『Freeze!』(動くな)と叫んだが
そのスラングがわからず、そのまま撃ち殺された。
確かにFreezeは受験用の英和辞典には載ってない。
胸が痛んだ。

最近ニュースを見ても明るい話題って少ない。
台風・地震といった天災による被害。
避難所での不自由な暮らし。
車の中で避難生活を送った方が亡くなっている。
イラクでは自衛隊の撤退を求めて日本人殺害。

今の日本はひと昔前と違って超個人主義になってしまっている。
同胞意識が薄いのだ。
偽善者になるつもりはないけれど、自分には今何が出来るかなって考える時間は必要だ。
決して無理をせよと言うのではなく、出来ることでいいと思う。

事務所が銀座にあるため、よく数寄屋橋のチャンスセンター前を通る。
献血を求めていつもスピーカーを使って声を枯らす人がいる。
みんな素通り・素通り。
私は一度も献血をしたこどが無い。
低血圧だから。ちなみに上が90で下が40。
でも、献血車まで入っていって実際に献血の可否を確かめたことがない。
無理だって自分で決めつけてるだけ。
自分を可愛がっているだけ。出来るかもしれないことをしないだけ。

これからは一歩進んでみよう、自分に何が出来るかな。
実はいろんなことが出来るのかも。
災害基金へお金を送るだけでなく、何かもっと自分にできることがあるのかも。
胸の痛みを大切に。考える時間を大切に…。